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大須賀淳
2023.5.15 03:49その他ニュース

「道具の進化」と「専門家」のあり方

ゴー宣のスペシャル本の中でも、(原発のある地域からは離れているものの)福島県出身の私にとって「脱原発論」色々な種類の感情がうずまく一冊。

それについてはまた改めて書こうと思いますが、本書の冒頭で印象的に語られているのが、以前の作品にも登場した「2歳のよしりん先生がお父さんに火鉢であぶって暖めてもらった思い出」と、それに併せての、先生が時代と共に体験してきた暖房器具の変化の描写です。

小林よしのり「脱原発論」より

 

こうした「道具の進化」は、各世代それぞれの体験があると思いますが、1975年生まれの私が特に記憶しているのが「活字」についての変化です。

私が小学校低学年ぐらいまでは、学校のプリントもほとんどが先生の手書き文字で、「活字」が使われるのはある程度本格的な印刷物が中心でした。

記憶では、小学1年の時に作文コンクールで入賞したことがあり、その作品を集めた冊子で「自分の書いた文章が活字になっている」のを初めて体験し、いたく感動した覚えがあります。

その後、高学年ぐらいになると「ワープロ」の普及が急速に進み、学校のプリントも活字が当たり前に。現在では、手で文字を書く機会自体が激減してしまいました。

これは「道具の進化」により、印刷業者という「専門家」が独占していた活字が、全ての人々に開放されたというエピソードです。

さて、この「活字の思い出」ですが、実は2015年刊行の拙著「ネット時代の動画活用講座」の冒頭分で同じ事を書きました(宣伝スイマセン!)

 

この本は、先の活字の例と同じように「道具の進化で、動画は誰もが使えるツールになった」というテーマで雑誌に連載したものがベースになっています。連載から9年ほど経つので情報が古い部分もありつつ、基礎知識や方法論は今でも有効…いや、宣伝はこれぐらいにして(Kindleでも読めますよ!)

個人的に楽しかったのが、映像制作が本業ではないけど、自社内で動画を作って情報発信に活用している様々な企業への取材でした。

 

実際にこの本の刊行から8年経った現在、「動画の内製化」は非常に盛んになっており、そのための企業研修はうちの営業の大きな柱の一つになっています(ご用命があればぜひお気軽に…今日は宣伝ばっかり(^^;))

そして、この「動画内製化」をかなり早い段階から行い、大きな成果を上げているのが、他ならぬ「ゴー宣道場」だと思うのです!

「映像の専門家」ではないトッキーさんがあらゆる試行錯誤の中で録画、配信してきた膨大な映像は、後世にも渡る貴重な文化的財産だと思います(僕がカレーせんべいさんと動画の「切り抜き」をやっているのも、この記録にアクセスしやすくし、いずれ一大ライブラリとして次世代にも残して行きたいという野望が元になっています)。

 

実は、これだけ長い期間、コンスタントに動画内製を実践できている会社や団体はまだまだ稀有な存在です。「機材にうるさい」タイプの人が何か細かく言う事はあるかもしれませんが、そういう輩は、安定した皇位継承よりも古代の先例のウンチクにばかり執心する男系男子固執派と同じ(笑)

なにせ、そもそもトッキーさんは何本もの連載を抱える漫画家のアシスタントであり(普通はこれで精一杯)、なおかつ、よしりん先生の重要なブレーンでもあります(あともしかしたら、料理とか、論敵を軽く呪い…なども…?)

その中で、これだけコンスタントな映像作りを行っているのは本当に凄いですし、配信や収録での全ての議論を見て(おそらくかなりの部分をご自身でも記憶して)いることは、先生のブレーンとしての業務にも大きく貢献しているはず。実はこうした、他の業務との相乗効果が「内製」の大きなメリットでもあるんです。

「専門家」が優位性を保てるのは、道具などを独占できていたり、分業化の進んだ業界というシステムに所属できている所に依っている場合が少なくありません。それが有効な局面もありつつ、考える事をやめて個を喪失したり、ポジショントークばかりを繰り返す無価値な存在に陥ることも珍しくありません。

「道具が進化」すると、旧態的な「専門家」の価値は低下し、逆に目的と意思を強く持った「表現者」にはこの上ない追い風になります。

「武器」はたっぷりとある時代。ぜひぜひ、皆さん一緒にガンガン表現して行きましょう!

大須賀淳

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